WEBマーケティング
インターネットの発達により、簡単に情報を得られるようになったためユーザーの価値観は細分化しています。それによって、おおまかなターゲティングでは効率的なマーケティングは難しい状況になっています。
この記事ではユーザーの一人ひとりをターゲットとして行うOne to Oneマーケティングについて解説します。メリットや手法などをくわしく解説するので、ぜひ参考にしてください。
One to Oneマーケティングとは、年齢や性別などの属性で大まかに分けたターゲティングではなく、個人にあわせて実施するマーケティングのことです。その人の行動や購買履歴などをもとにし、ニーズや悩みにあわせた商品やサービスを提案します。
大まかなターゲティングでは、その商品やサービスに興味がない相手にもマーケティング活動が行われます。手間とコストをかけて行ったマーケティング施策が無駄になる可能性もあるでしょう。One to Oneマーケティングであれば、もともと興味がある人、購入する可能性が高い人に的をしぼって行われます。
One to Oneマーケティングが発達した背景には、IT技術の進化があります。一人ひとりにあわせたマーケティングには、膨大な時間と手間が必要です。しかし、Cookieから得られる情報を自動で分析することにより、手間をかけず低コストで個人の趣味や嗜好にあわせたマーケティングが可能となりました。
Cookieとは、ユーザーがどのWEBサイトにいつごろアクセスしたか、といった情報のことです。CookieにはファーストパーティCookieとサードパーティCookieの2種類があります。ファーストパーティCookieとは、実際に訪問したサイトから発行されるCookie、サードパーティとはそれ以外のサイトから発行されたCookieのことです。
One to Oneマーケティングどのようなメリットがあるのかについて解説します。
One to Oneマーケティングであれば、商品やサービスに対しもともと興味がある人にだけ広告を表示できます。
一般的に、閲覧しているWEBサイトに広告が表示されると、邪魔であると思うケースも多いでしょう。しかし、ユーザーにとって関心の高い内容や好きな商品に関する広告であれば、嫌悪感をもたれにくいです。購入しようか検討している商品であれば、広告をクリックし自社サイトへと訪問する可能性もあります。
Cookieを活用すれば、比較的低コストで一人ひとりにあわせたOne to Oneマーケティングが可能となります。大変コストパフォーマンスが良いマーケティング方法といえるでしょう。
ただし、Googleは、サードパーティCookieを2022年までに段階的に廃止する方針を発表しています。サードパーティCookieは情報がどのように使われるのか、ユーザー自身が把握できません。そのため、プライバシーに関して問題があるのではないかと考えられています。
なお、Google広告では同じドメインから発行されるファーストパーティCookieが使用されています。よって、2022年以降Cookieを活用したOne to Oneマーケティングは、Google広告に頼らざるを得なくなるでしょう。
ここでは、One to Oneマーケティングの具体的な手法について解説します。
ユーザーの閲覧履歴をもとにし、その人が興味をもっている商品を表示させる広告です。たとえば、ユーザーがショッピングサイトから他のWEBサイトへ移動しても、広告欄にはショッピングサイトの広告が表示されます。
ユーザーが買い忘れた商品を思い出したり、買い足しを検討したりする可能性を高められます。購入を迷っている人にもアプローチできるため、販促効果が高いです。
「あなたへのおすすめ商品」などを表示する広告です。レコメンデーションには、最初から決められたルールに沿って行う方法や、ユーザーのWEBサイトの閲覧履歴、購買履歴をもとに行う方法などがあります。
本人のニーズにあっている商品が多く表示されるため、そこから購入の検討につながるケースも多いです。とくに、個人の閲覧履歴や購買履歴をもとに商品やサービスをおすすめすると、その人の趣味嗜好にあったものを表示できます。
ランディングページとは、ユーザーが検索エンジンからサイトをクリックしたときに表示されるページのことです。ユーザーに長くWEBサイトに滞在してもうらためには、ランディングページをユーザーにあわせ最適化するといいでしょう。
ランディングページに興味をもてなければ、他のページを確認せずにページを離脱するユーザーも多くいます。そのため、個人の閲覧履歴にあわせて興味を引きそうなページを表示するように最適化すると効果的です。
メルマガやダイレクトメールなどに対しても、One to Oneマーケティングを行えます。閲覧履歴や購買履歴に基づき、興味をもちそうなユーザーに対してキャンペーンやセミナーのお知らせをメルマガで送付する、といった方法が代表的でしょう。
また、ダイレクトメールは、手にとって見てもらえ、情報量が多いオフラインのOne to Oneマーケティング手法だといわれています。ダイレクトメールはユーザーの行動を動かす効果があるため、そこにOne to Oneマーケティングを導入し、ユーザーにあったダイレクトメールを送付できれば、より効果が期待できるでしょう。
One to Oneマーケティングに取り組むうえで注意したいポイントについて解説します。
One to Oneマーケティングのもとになる情報としては、閲覧履歴、行動履歴、アンケート結果などがあります。ただし、それぞれのデータが必ずしもユーザーの興味や関心を示しているとは限りません。たとえば、インターネット上の閲覧履歴や行動履歴があっても、たまたま調べていただけである可能性もあります。
また、アンケートは本心で答えているとは限らず、希望などが正確に反映されていないかもしれません。適切にOne to Oneマーケティングを実施するためには、ユーザーが本当に興味のあるものを徹底的に探っていかなければならないでしょう。
ユーザーの興味や関心にそぐわない広告を表示させないためには、定期的に効果測定を行わなければならないでしょう。広告のクリック率、ページ遷移率、購買率などをチェックし、効果的にOne to Oneマーケティングができているのかを調査していく必要があります。
場合によっては、クリック率は高いけれど購買率は低いなどという結果が出るかもしれません。本当に自社の商品やサービスに興味をもっている人、購買を検討している人に広告を届けられることを目指しましょう。
意図するユーザーに広告を配信できたとしても、クリックして詳細を確認してもらえなければ意味がありません。ターゲットにしているユーザーの興味をそそるような文言や画像などを取り入れ、思わず開きたくなるような広告を作成しましょう。
ただ自社の商品やサービスをアピールするだけではなく、物語性があり、先が気になるような文章などもおすすめです。若い女性をターゲットにしている場合は、カラフルで見栄えが良い画像を採用してみてもいいでしょう。
ここでは、One to Oneマーケティングを成功させた事例について解説します。
株式会社ゲオホールディングスは、個々の顧客にあわせた時間帯でメールを配信するOne to Oneマーケティングを行いました。顧客によって来店時間のパターンがある程度決まっているため、来店予測時間の3時間前にメールを配信して商品をおすすめする戦略です。
機械学習を取り入れ、手動で行っていた作業を自動化した点も大きなポイントです。その結果、従業員の手間を削減しながら、メールの開封率は1.5倍にあげることに成功しています。ユーザーに対してより効果的にアプローチできるようになりました。
株式会社すかいらーくホールディングスは、ファミリーレストラン「ガスト」でアプリを活用したOne to Oneマーケティングを行いました。アプリでは年齢や性別などの属性を登録してもらうため、その情報にあわせて配信内容を変えています。
また、アプリでは来店状況も確認できるようになっています。来店したばかりの顧客が再度来る可能性は低い傾向にあります。そのため、アプリで管理された来店日から少し間を開けてクーポンを配信などの工夫もされています。結果として、全員に送るメルマガよりも10倍の来店率を達成しました。
ユーザーのニーズに即してアプローチするには、One to Oneマーケティングを取り入れると効果的です。一人ひとりに最適な提案ができるようになるため、購入に至る可能性を大幅に高められるでしょう。
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