WEB接客
ECサイトをはじめ、WEBで売上やコンバージョンなどの目的を達成するためには、ポップアップやチャットボットなどを利用しユーザー一人ひとりに働きかけることが大切です。このような働きかけのことをWEB接客といいます。WEB接客に積極的に取り組むことで、直帰率の減少やCVR向上、LTV向上につなげることが可能です。
本記事ではWEB接客についておすすめのツールなどを解説します。
WEB接客とは、サイト上でポップアップやチャットボットなどを利用し、ユーザー一人ひとりに対して働きかけることを指します。実店舗であれば、来店客に対して接客を行うことが一般的でしょう。サイト上であっても、実店舗のように接客を提供する取り組みがWEB接客です。
集客のために広告費を掛けたとしても、サイト上で顧客それぞれに合った接客ができていなければ、ユーザーはすぐ離脱してしまい売上にはつながりません。サイトの集客に注力してもWEB接客ができないのであれば、穴が開いたバケツに水を入れるような状態です。ユーザー一人ひとりに対し働きかけることが可能なWEB接客ツールは、その穴を埋める役割を担っているのです。
WEB接客を導入することで解消できる主な課題には、以下が挙げられます。
サイトを訪れたユーザーが、他のページに移動せずに離れてしまう割合が直帰率です。ユーザーがサイトを離れてしまう理由として、自分が求めている情報が手に入らなかったというケースが挙げられます。ユーザーの直帰率が高いとコンバージョンや売上に影響を及ぼしかねません。WEB接客であれば、顧客とのコミュニケーションを通じて顧客に適した情報を提供します。
サイトの導線とは、訪れた顧客を目的とするゴールまで導くための経路を指します。サイトの導線の設計が複雑な場合、顧客は自分の求めている情報を入手できないため、離脱につながる可能性があります。WEB接客でアプローチすることで、顧客の欲しい情報を提示し、コンバージョンにつなげることが可能です。
FAQページとは、サイトを訪問した顧客が商品やサービスの質問とその回答を確認できるページです。FAQページが更新されていないと掲載された情報が古い、回答文が誤っているなど、顧客離れにつながる原因になります。WEB接客によって顧客が求めている情報をピンポイントで伝えられるようになれば、コンバージョン率を改善できるでしょう。
サイトを用意しているのに見てもらえないページがいくつもある場合は、顧客をページにうまく誘導できていない可能性が考えられるでしょう。WEB接客によって顧客を適切なページに誘導できれば、自社の商品やサービスの魅力などを伝えられる可能性を高められます。
顧客に向けたページに、ビラのように商品やサービスの写真や価格だけを掲載していては商品についての興味が出ないでしょう。WEB接客ツールによってどのような商品、サービスなのかという顧客の問い合わせに対応することで、コンバージョンが期待できます。
顧客がフォームページで離脱するといったケースの対策としても、WEB接客ツールは有効です。例えば顧客がフォームページを離脱しそうなタイミングでクーポンなどの魅力的なポップアップを表示すれば、申し込みを後押し可能です。
サイトの改善方法が分からず放置しているといった課題であっても、WEB接客によって改善が期待できます。WEB接客ツールを導入すれば、顧客からの問い合わせにオンライン上で回答できるため、顧客体験やコンバージョンの向上が期待できるでしょう。
WEB接客ツールの種類は大きく次の2つです。
ポップアップ型、チャット型どちらもメリットがあり、両者を掛け合わせたハイブリッド型も存在しています。
WEB接客ツールのうちポップアップ型とは、顧客に対して小さなウィンドウでメッセージを通知するタイプです。ポップアップ型のWEB接客ツールは、顧客が離脱しようとしたタイミングでクーポンやキャンペーン情報を通知可能です。
ポップアップ型は、顧客それぞれのタイミングで適切な情報を提示できるため、商品の購入や申し込みの後押しができます。実店舗における声掛けのようにキャンペーン情報を伝えることができれば、客単価の向上が期待できます。
チャット型のWEB接客ツールでは、チャットを通じて顧客とコミュニケーションを取れます。チャット型のメリットは、リアルタイムで顧客の疑問や不明点を解消できることです。またチャット型の中でも、自動で質問に回答するチャットボットであれば、問い合わせ対応業務を軽減できるというメリットもあります。
チャット型は次の2つのパターンに分けられます。
オペレーターによる有人対応であれば、顧客から寄せられる複雑な質問に対しても回答可能です。しかし、オペレーターによる有人対応は対応できる時間帯に限りがあります。また運用に当たり、顧客からの問い合わせに対応するオペレーターの人件費が必要です。
チャットボットによる自動対応であれば、顧客からの問い合わせに対して自動で返答できます。チャットボットの場合、顧客からの問い合わせにいつでも対応できる点がメリットです。顧客は営業時間を気にせず自分の好きなタイミングで問い合わせることができます。またチャットボットであれば、運用にかかる人件費も、オペレーターによる有人対応と比べて抑えられるでしょう。
WEB接客ツールを導入すると、次のようなメリットにつなげられます。
CVRとは購入や会員登録、広告クリックなどのコンバージョンに至った割合のことで、次のように算出が可能です。
CVRを向上させるのに役立つのがWEB接客ツールです。WEB接客ツールで顧客のニーズに応じた接客を提供することで、購入や会員登録に至る割合を増やせます。CVRを向上させることができれば、効率的に成約まで導ける可能性が高まり、売上の向上にもつなげられます。
LTVとはLife Time Valueの略で、日本語では顧客生涯価値を意味します。顧客生涯価値とは、一人の顧客が自社に対して利用開始から終了まで、どれだけの利益をもたらすかを示す指標です。
WEB接客ツールを活用すると、LTV向上につながります。WEB接客ツールによって顧客一人ひとりに応じたサービスやアプローチを提供することで、自社への信頼を高めリピーターとなってくれる可能性が高まるのです。
LTVが向上すれば、次のような効果が期待できるでしょう。
LTV向上により既存顧客の定期的な利用が増えれば、新規顧客を新たに獲得するコスト、すなわち営業コストの抑制につながります。一般的に、新規顧客の獲得にかかるコストは、既存顧客を維持するコストよりも多くなります。LTV向上によって既存顧客による安定的な売上基盤を築ければ、新規顧客獲得に必要な営業コストを抑えられるでしょう。
LTVの向上は、企業が健全な経営を継続していくための有効な手段です。新規顧客の売上に依存しているとコストが多く発生してしまうため、経営が悪化する恐れがあります。健全な経営を実現するためにもLTVの向上に努めましょう。
WEB接客ツールによるLTVを向上できれば、安定した利益を確保できるというメリットもあります。LTVが向上しているということは、既存顧客の単価やリピート率が高まっているということです。そのため新規顧客に依存することなく、安定した利益を実現可能です。
LTVが向上したら、どのような顧客が優良顧客に当たるのかといった分析をするも可能です。LTVを分析して優良顧客の傾向を分析すれば、将来優良顧客になるであろう顧客の特徴が分かるため、さらなるリピーター獲得が期待できるでしょう。
WEB接客ツールを導入することには、メリットだけでなくデメリットもあります。一般的なデメリットとしては、以下が挙げられます。
先述のとおり、WEB接客ツールには顧客の離脱防止やCVR向上などのメリットがあります。しか設計によっては顧客に対して思ったようなアプローチができなかったり、顧客にとってプラスとなる情報とならなかったりするケースも起こり得ます。効果を得るためにはどのようなタイミングで顧客にアプローチするのか、あらかじめ設計を決めておく必要があります。
WEB接客ではパソコンやスマートフォンのモニター上で、顧客とのコミュニケーションを取らなければなりません。そのため、実店舗での対面接客よりも商品やサービスの情報を正確に伝えるのが難しく、商品やサービスの情報を正確に伝えるための工夫や従業員の教育が求められます。特に従業員への教育は接客技術だけでなく、WEB接客ツールの使用方法についても時間を割く必要があります。
WEB接客ツールにおける顧客とのコミュニケーションは、マニュアルに基づいて行われることが一般的です。ただし、あまりに機械的な対応になってしまうと顧客の満足度を低下しかねません。顧客の満足度を下げないためにも、丁寧な対応を心掛けましょう。
WEB接客ツールを選ぶ際は、以下のポイントを押さえておきましょう。
WEB接客ツールは、導入そのものを目的化してしまうケースがあります。WEB接客ツールの導入が目的化してしまう理由は、ツールを導入すれば自社の課題や問題点が改善できると判断してしまうためです。
しかし、ツール導入はあくまで手段です。導入で満足するのではなく、自社の目的を解決するために仮説・検証を繰り返しながら運用していきましょう。ツールの導入後に施策を検証して微調整できるよう、運用フローを作成することをおすすめします。
WEB接客ツールは自社に適したものを選択しましょう。自社に適した機能が備わっていなければ、ツールを導入しても十分な効果につながりません。一方、多機能なWEB接客ツールを導入してしまうと、機能を十分に使いこなせずに解約に至ってしまう可能性もあります。自社が抱える課題や問題点を確認した上で、あらかじめどのような機能が必要なのかを洗い出し、優先順位を付けておくとよいでしょう。
自社に適したWEB接客ツールを選択する際は、使いやすさも確認しましょう。導入しても、設定が複雑であるなど使いづらいツールであった場合、定着しない可能性があります。WEB接客ツールが使いやすいかどうかは、無料のトライアル期間を活用するのがおすすめです。
WEB接客ツールは、どれだけのコストが必要となるのかも、選ぶ際のポイントのひとつです。WEB接客ツールの導入には初期コストだけでなく、運用にかかるコストも必要です。運用コストは、継続利用にかかる費用に加えて担当者の人件費も必要です。WEB接客ツールをコストで選ぶ際は、初期コストと運用コストがどれくらいになるのかをあらかじめ想定しておきましょう。
WEB接客ツールを選ぶ上では、ベンダーがどのようなサポート体制を整えているかも確認しましょう。サポート体制はベンダーによって異なります。土日祝日であっても対応可能か、導入までに専任の担当者によるサポートを受けられるかなど、ベンダーがどのようなサポート体制を整えているかの確認が大切です。
WEB接客ツールはクラウド型、オンプレミス型に大別されます。それぞれのメリット、デメリットは次のとおりです。
WEB接客ツールの種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
クラウド型 |
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オンプレミス型 | カスタマイズしやすい |
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クラウド型、オンプレミス型それぞれにメリット、デメリットがあるため、自社の状況に応じたツールを選択しましょう。
WEB接客ツールを導入して運用する際は次のようなポイントを押さえておきましょう。
WEB接客ツールを導入したら、ツールをスムーズに使えるよう、従業員に教育を施すことが大切です。またWEB接客ツールを導入することで、業務フローの変更が必要となるケースも多いです。しっかりと社内周知を行い、教育を徹底しましょう。
WEB接客ツールを導入したら施策を講じるだけでなく、効果検証も欠かせません。施策を講じるだけではどれだけの成果が出ているのかは判断できません。WEB接客ツール導入でどれだけの効果が出ているのかを判断するには、効果検証も実施しましょう。
効果検証を実施する際はフレームワークであるPDCAの活用がおすすめです。PDCAは次の略です。
PDCAのサイクルを定期的に回していくことで、WEB接客ツールの効果をより高められます。
PDCAを回す際は、無理のない計画を立てることが大切です。自社で実現できないような計画を立ててしまうと、結果につながらない可能性があります。そのため、PDCAを回す際は自社で実現できるような計画を立てましょう。また目標は、具体的な数値で設定することもポイントです。目標に具体性がない場合、確認作業や改善策も具体性が欠けてしまい、PDCAの効果が得られません。WEB接客ツール導入のためにPDCAを回すのであれば、具体性のある目標を立てましょう。
WEB接客ツールを導入・運用する際は、顧客に不快感を与えるようなコミュニケーションに気を付けましょう。例えばポップアップの表示も、あまりに頻繁であると顧客に不快感を与えかねません。ポップアップが頻繁に表示されると顧客のサイト閲覧を邪魔してしまうため、顧客のサイトからの離脱につながる恐れがあります。また、サイトや顧客のニーズとは関係ないポップアップも離脱の要因です。
WEB接客ツールの効果を高めるのであれば、顧客に不快感を与えるようなコミュニケーションは避けましょう。
WEB接客ツールは情報をどれだけ正確に伝えるかがポイントです。実店舗のように実際に顔を合わせて行う接客であれば、商品やサービスを正確に伝えられるでしょう。しかしサイト上で顧客とコミュニケーションを取るWEB接客では、商品やサービスの情報を正確に伝えきれない可能性があります。WEB接客においては、顧客に対してより具体的な情報を伝えるように工夫しましょう。
これからWEB接客ツールを導入するのであれば、「Flipdesk」の導入がおすすめです。「Flipdesk」はサイトを訪れた顧客の訪問や閲覧、購買データを基に、それぞれに応じたアプローチができるツールです。「Flipdesk」には次のような特徴があります。
「Flipdesk」は顧客の情報収集が可能なWEB接客ツールです。サイトにタグを設置することで次のようなユーザー情報を収集します。
「Flipdesk」で収集した顧客情報は、ユーザーに応じた接客提供に役立てられています。
「Flipdesk」で収集した情報に基づいて顧客のターゲティングが可能です。同じような属性、同じような課題、興味を持っているユーザーをターゲティングできます。
「Flipdesk」はユーザーのニーズに応えるアクションをグループごとに実施できます。ユーザーのニーズに応える接客を提供するため、顧客の離脱を防止可能です。
「Flipdesk」はチャットボット「Cross Talk」と連携可能です。「Cross Talk」と連携することで、ポップアップだけでなくチャットでも顧客とコミュニケーションが取れます。
例えば「Cross Talk」と連携させることで、FAQやよくある質問を自動で案内可能です。チャットボットで24時間365日、顧客の疑問を解消することで、顧客のストレス軽減や顧客対応にかかる時間の削減につながります。
WEB接客とは、WEB上で実店舗のように接客を提供する取り組みです。WEB接客ツールを導入することでCVRの向上やLTV向上といったメリットにつながります。
WEB接客ツールを導入する際はツール導入の目的を明確にする、自社に適したWEB接客ツールを選択する、サポート体制を確認するなどのポイントを把握しておきましょう。また従業員への教育や効果検証など、運用時のポイントを把握せずにWEB接客に取り組むと、望んでいる効果が得られない、機械的な対応になってしまうなどのデメリットにつながりかねません。
WEB接客ツールを導入するのであれば、専任コンサルタントによるサポートプランや多彩なオプションがある「Flipdesk」がおすすめです。チャットボットシステム「Cross Talk」と連携させることで、顧客体験のさらなる向上が期待できます。WEB接客ツールの導入を検討している企業のご担当者様は、ぜひお気軽にご相談ください。