アスクル株式会社
2025.1.23
文具・事務用品から、製造業や建設業向けの専門用品、衛生用品・介護用品・薬局用品・白衣などの一般医療用消耗品、消毒剤や注射などの医薬品・医療機器などの医療材料まで、幅広いジャンルの商材を取り扱うBtoB通販サイト「ASKUL」。さまざまなニーズを持ったユーザーが訪れるものの、これまではどうしてもオフィス用品のイメージが強く、それ以外のジャンルの商品を訴求しきれていなかったといいます。
そこでアスクルのサイトに導入したのがFlipdesk。会員情報を連携した情報の出し分けにより、スマートフォン版サイトのクーポン・セール売上が前期比約140%に達するなど大きな効果が出ているといいます。
Flipdeskを導入したきっかけや決め手、具体的な活用方法などについて、アスクル株式会社EC本部 リテンションマーケティングの片野 紗枝様、永島 明日香様にお話を伺いました。
―まず、アスクル様についてご紹介をお願いいたします。
片野:アスクルは主に事業所向け(BtoB)にあらゆる仕事場で必要なモノを提供する通信販売サービスですが、最近ではそれにとどまらず、メディカル商材や建設の現場系商材なども幅広く取り揃えています。『仕事場とくらしと地球の明日に「うれしい」を届け続ける。』というパーパス(存在意義)のもと、最短翌日にお届けすることで、お客様のビジネスをご支援しております。
―2023年6月よりスマートフォン版サイトにFlipdeskを、2024年6月よりPC版サイトにFlipdeskをご導入いただきました。ご導入いただいた経緯について教えてください。
片野:ASKULにはあらゆる業種のお客様が訪問されます。さらにコロナ禍以降は個人事業主のお客様も増えていて、お客様ごとに購買行動はかなり違っています。そこに一律で同じ情報を出すのは非効率なのではないかと以前から感じていました。お客様をターゲティングして1to1の接客を目指していきたいと考えていたことが、接客ツールサービスの導入に至ったきっかけです。
―最初にスマートフォン版サイトから導入されたのはなぜでしょうか。
片野:6年ほど前に一度、近いサービスを導入したことはあったのですが、それから時間も経っていますし、まずはテスト的にトライしてみようということで、PC版サイトに比べると比較的訪問数が少ないスマートフォン版サイトから導入を進めました。やってみると、スマートフォンと接客ツールの親和性が高かったこともあって、CTRも高く出るなど良い結果が得られたので、PC版サイトにも導入を決めたという経緯です。
―以前使われていたという接客ツールは効果は出なかったのでしょうか。
片野:最初は効果が出ていたのですが、その後はシナリオのパターンも限られてしまい、次第に効果が薄れていってしまいましたね。それで一旦は接客ツールをやめたのですが、ここ6年くらいでECも次第にモバイルファーストが進んできて、個人事業主のお客様も増えてきました。そういった背景もあり、スマートフォンでも何かチャレンジしていかないといけないよねという話は社内でも出ていたんです。
―Flipdeskと比較検討されたサービスはありましたか。もしありましたら、他社サービスではなくFlipdeskを選んでいただいた決め手について教えてください。
片野:3社ほど比較検討を行いました。チェックしたのは価格と機能、管理画面の見やすさという3つのポイントです。機能についてはお客様のターゲティングと情報の出し分けができればよかったので、高機能すぎる必要はありませんでした。また、自分たちでもしっかりと使いこなしてPDCAを回せるよう、わかりやすい管理画面がいいねと話していました。Flipdeskを選んだ決め手になったのは、会員情報を連携してターゲティングできるオプション機能がついていたこと、管理画面がわかりやすかったこと、何より低コストだったことが最大の決め手です。
―実際に使用した印象はいかがでしたか。
片野:やはり使いやすいと感じ思いましたね。例えばクリエイティブを作成するためのテンプレートです。文字を入れたりアイコンを変えたりするだけで簡単に新しいクリエイティブを作成できますし、サイトに合わせて大きさや高さも自由に変更できます。これまではバナーを制作するとなるとパートナー企業さんにお願いする必要があり、どうしても1ヶ月ほどくらいかかっていました。それがFlipdeskなら最短1日で可能です。
永島:定期的にアップデートが入るのも好印象ですね。導入当初と比べてもかなり進化していて、レポート部分やタグ入れなどがさらに使いやすくなっています。
―Flipdesk担当者のサポートについてはどのような印象をお持ちですか。
片野:本当に親身になって相談にのっていただいています。レスポンスも大変早いです。シナリオの設定についても、我々では考えつかないところを教えていただいたり、こんなこともできますよみたいにアイデアをいただいたりしています。担当者の方と相談しながらどうやってやりたいことを実現できるか考えるのが楽しいです。
永島:定例ミーティングでも新しい機能の紹介やそれを使った施策の提案などをいただいたり、施策をもっとブラッシュアップする方法を教えていただいたりしています。いつも柔軟に対応していただけるところが非常に大変助かっていますね。
片野:サポートの対応が的確で早いからこそ、PDCAを高速に回せるのだと実感しています。
―Flipdeskの活用法についてもお聞きします。運用する上でのこだわりなどはありますか。
片野:まずはトンマナです。弊社の制作物はトンマナをそろえているので、Flipdeskについても内製チームと連携をとりながら作成しています。その上でスピード感にもこだわっています。先ほども申し上げたように、すべて内製だと1ヶ月かかる制作期間を1日まで短縮できるのがFlipdeskの魅力ですから。例えば最近ですと、気温上昇に伴い飲料のコンテンツをご案内し、多くのお客様に反応いただきました。
また「お客様の行動」に沿ってターゲティングをすることも意識しています。販促バナーは基本決まった場所にしか掲載することができませんが、Flipdeskは場所を問わず「お客様の行動」に対して訴求が可能なため、より広い範囲で精度高い訴求が可能です。
永島:ABテスト機能を活用し、商品ジャンルごとに文言を変えたり、バナーのカラーや出し方を変えたりすることで、より効果の高いバナーへの改善も行っています。短期間でPDCAを回せるのはFlipdeskならではです。
―特に効果の高かったシナリオや、印象に残っているシナリオについて教えてください。
片野:クーポンやセール系のお知らせは反響が大きいですね。今までスマートフォンでもPCと同様にクーポンや企画を実施していたのですが、スマートフォンユーザーのサイト行動にあった露出やアプローチが十分ではありませんでした。
Flipdeskで露出し始めたところ、今まで露出ができていなかった分、認知につながり高いCTRを記録しました。
永島:商品のレコメンド施策が印象に残っています。もともとレコメンド欄は設けてはいたのですが、スマートフォン版サイトは縦にページが長くて、レコメンドまで到達する前に離脱されることも少なくありませんでした。そこで、Flipdeskでレコメンド欄に飛ぶバナーを出したところ、レコメンド機能の利用につながり、経由売上も伸びています。サイトの補助機能といった感じの使い方で、とても良い施策だったと感じています。
―「ついで買い」のような効果も出ているのでしょうか。
片野:そうですね、ASKULの場合は専門的な商材の訴求にも役立つと思います。どうしても従来のオフィス用品のイメージが強くて、メディカルや教育系、建築系などの商品は最初から探されないことも多いんです。まずは「ASKULで買える」ということを周知することが大事だと思っています。そのためのツールとしてFlipdeskは非常に便利です。
―クーポンについてはどのように活用されていますか。
片野:会員情報を連携してクーポンを配布しています。また、お客様が訪問したカテゴリをもとにクーポンを出したり、そのカテゴリと親和性の高い別カテゴリのクーポンを出したりしています。
―Flipdeskの導入効果について教えてください。
片野:販促や集客に着実な効果が出ています。特にスマートフォン版サイトでは、前期と比較してクーポン・セール売上が約140%と、売上増に貢献してくれました。また、レコメンドの効果がアップしたおかげで今までお客様に露出できていなかったページの閲覧数が上がっていること、そこから得た知見が社内に蓄積されていることも効果として挙げられます。
―通販サイトにおけるWEB接客の重要性についてのお考えを教えてください。
片野:情報があふれている中でお客様が自分だけの力で情報を探すのはどうしても非効率になってしまいます。ASKULも品揃えがどんどん増えているのに、商品をお客様にお届けできないのは非常にもったいないと思っています。その意味でもお客様一人ひとりにメリットある情報をいかにピンポイントで届けられるかは重要です。これはASKULだけでなく、EC業界全体にいえることです。
永島:私たちは今、ASKULについて「買い回り促進」と「サイト機能の補助」という2軸で施策を打っています。そのうち後者についてはまさにFlipdeskのようなWEB接客ツールでサポートできる部分です。WEBサイトはスピード感が重要で、それを通常のアップデートで対応するのは難しいですからね。
片野:Flipdeskを使えば私と永島の2人でできますからね。他の部門や人を挟まないことで、圧倒的にスピード感を持って進められます。
―「機能」というと、例えばクーポンだったり?
永島:クーポンもそうですし、例えば検索もそうです。お客様がどう検索していいかわからなくて困っているときに、求めている情報をWEB接客ツールで出してサポートできたりするのが便利です。WEBサイトの通常のアップデートは実店舗でいえば改装みたいなもので、急にできるわけではありません。一方でWEB接客ツールはスタッフによるお声がけみたいなものです。圧倒的に簡単で早いですよね。
片野:まさに1年間Flipdeskを運用してみて、接客ツールの役割が見えてきた印象です。既存の機能の補助や誘導といった部分に強みを持っているので、そこを生かしていきたいと考えています。
―今後のFlipdeskの活用についてお考えを教えてください。
片野:ASKULの幅広い商品展開をもっと認知していけるよう、Flipdeskで機会をつくっていきたいですね。その中で「成功パターン」をつかんで、他にも展開できればと思います。
永島:お客様は法人もそうですが個人事業主の方もいらっしゃいます。幅広いニーズにお応えできるよう、Flipdeskで1to1の施策を打っていきたいと思います。
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