鈴廣かまぼこ株式会社

ITに不慣れなお客様をFlipdeskでサポート ROAS1000%を達成!

2023.11.8

150年以上もの長きにわたり、小田原の地でかまぼこを作り続けてきた鈴廣かまぼこ。老舗企業というと変化を好まないイメージがあるかもしれませんが、同社は「変えてはならないもの」は守りつつ、「変えなくてはならないこと」については積極的に変革し、時代の最先端を走ってきました。

そんな同社の取り組みの1つが、ECサイトのリニューアルとFlipdeskの導入です。FlipdeskのWEB接客によりお客様の困りごとを解決し、スムーズなお買い物体験をサポート。その結果、ROASにして約1000%もの導入効果が生まれているといいます。

そこで同社のツール運用を担当する企画開発部の松井 孝成 様に、Flipdesk導入の経緯と効果について伺いました。

 

ECサイトのリニューアルに合わせてFlipdeskを導入

―まずは松井様の業務や部署について教えていただけますか。

松井:私は今、企画開発部とメディア営業部の部長を兼務しています。企画開発部は全社的なマーケティング全般とデジタル施策を司るセクションで、Flipdeskもここで運用しています。一方、メディア営業部は通販の受注や販促に対応するセクションで、電話注文や封書注文、FAX注文、WEB注文などの受注および販促企画などを担っています。

―2019年10月からFlipdeskをご導入いただいております。Flipdeskを導入するきっかけとなった組織課題は何だったのでしょうか。

松井:導入当時、ECサイトのカートシステムのリプレイスを検討していました。そのタイミングで、ECのコンセプトからサービス設計までを今一度見直していきましょうということになったんです。

そもそも我々のような業態は店舗における観光需要がかなり強く、ECサイトの認知度が低いという課題がありました。観光で小田原を訪れ、店舗でかまぼこを購入していただくことも大事なのですが、私たちとしてはそれに加えてもっと日常生活にもかまぼこを取り入れていただきたいという想いを持っていました。そこで、ECサイトのコンセプトを「かまぼこのある暮らし」にリニューアルしたというわけです。

―たしかにかまぼこというと、年末年始など特定の時期に消費されることが多いイメージです。

松井:そうですよね。だからこそ、ECサイトやオウンドメディアで日常的に食べてもらえるよう訴求しようと考えたのです。ただ、当社のお客様は年齢層が高い方も多く、ITリテラシーがそれほど高くありません。そうしたお客様が、ECサイト上で迷子になってしまわないように、WEB接客ツールの導入を検討したのです。

 

運用コストの低さと使い勝手の良さが導入の決め手

―WEB接客ツールに注目された理由は何だったのでしょうか。

松井:私は鈴廣かまぼこに中途で入社した転職組なのですが、前職でWEB接客ツールを使用した経験があり、その有用性は十分に理解していました。また、リニューアル後のECサイトの方針として「One to One マーケティング」を打ち出しており、それを実現するためにはWEB接客ツールがいいだろうと考えたのです。

―Flipdeskと比較検討されたサービスはありましたか。もしありましたら、他社サービスではなくFlipdeskを選んでいただいた決め手について教えてください。

松井:他のツールとも比較検討は行いました。なかにはFlipdeskよりも高機能なツールもありましたが、そういったツールは運用コストが非常に高額です。ECサイト自体、まだそこまでの売上があるわけではないので、そうした高価なツールはコスト感が合わない印象でした。一方、Flipdeskはシンプルかつ十分な機能を有していて、運用コストが低い点が決め手になりました。

―Flipdeskを運用されているのは企画開発部ということですが、運用体制についても詳しく教えていただけますか。

松井:先ほど申し上げた企画開発部の中にあるデジタルマーケティングチームが運用を担当しています。実際に管理画面を触るメンバーは2名ですが、Flipdeskでできることについては他部署のメンバーも把握しており、要望をもらうことも多いです。

―実際に運用に携わっていらっしゃるメンバーの方は、Flipdeskにどんな印象をお持ちになったでしょうか。

松井:運用メンバーもITリテラシーがすごく高いというわけではないのですが、FlipdeskはシンプルなUIが理解しやすく、使いやすい印象を持っているようです。一例を挙げると、シナリオを作成する際に他社のシナリオテンプレートをベースとして活用できるなどですね。テンプレートを使うと一からシナリオを作らなくていいので、非常にありがたいです。

 

導入初期から十分な効果を発揮、運用サポートでさらに向上

―2022年10月からサポートを行わせていただきました。サポートの印象はいかがでしたか。

松井:導入から3年が経過しており、導入時に設定したシナリオで十分な効果は出ていました。ただ、せっかくサポートしていただけるなら、もっと効果を高められるのではないかという期待はありましたね。当社で考えたシナリオ内容が妥当なのかどうかという点について相談させていただきました。

具体的には、初回訪問時のお客様に登録を促すシナリオを、以前はPCもスマートフォンも共通で配信していました。それをそれぞれで出し分けるようご提案いただいたり、期間指定などの条件設定についてアドバイスいただいたりして、効果が目に見えて上がりました。

また、その他のシナリオについても設定部分を細かくチューニングしていただき、お客様がボタンを消す率を下げることができました。実際、あまりにも多くのシナリオを配信しすぎるとお客様のストレスになると思っていたので、適切なタイミングで適切なお客様に対して出し分けできるようになったのは助かりましたね。

―特に効果の高かったシナリオや、印象に残っているシナリオについて、いくつか教えてください。

松井:やはり、カゴ落ち防止シナリオはもっとも効果が大きいですね。それから、カートシステムのリプレイスを行ったこともあり、リニューアル後に訪問したお客様に対してカート画面で情報の入力を促すログイン促進シナリオも配信しました。これも離脱防止に非常に効果がありました。当社のお客様はそれほどITリテラシーが高くないので、こうしたわかりやすいシナリオが効果的だったのだと思います。

また、昨年にはLINE公式アカウントに紐づけたビジネスコネクトを導入して、ECサイトのアカウントでシングルサインオンできる機能を開発しました。ただ、少し導線がわかりにくくなってしまったので、お客様に対するアナウンスにFlipdeskを活用しています。

―デザインテンプレート機能はいかがでしょうか。

松井:かなり活用させていただいています。バナーの設定がとても楽になるので、非常にありがたい機能だと思いますね。

 

お客様の困りごとを解決し、ROAS1000%を達成

―Flipdeskの導入効果について教えてください。

松井:Flipdesk経由の売上でいうと、ROASで約1000%もの効果が出ています。やはりお客様がサイト内で迷子になるのを防いでくれるのが大きいですね。イメージでいうと、お客様に付き添って、お買い物の後押しをしているようなツールだと思います。

ECサイトのサポートって、お電話をいただいてもなかなか難しいんです。たとえばボタンの位置一つにしても、口頭だけだとうまくお伝えできないこともあります。その結果、お客様が嫌になって離脱してしまうケースも少なくありません。そこをFlipdeskでサポートし、さらに運用側でも数字を見ながらキャッチアップして、適切なシナリオを配信することで状況をより改善できます。Flipdeskのおかげで、ECサイトに関するお客様の困りごとを解決できていると感じています。

もう1つの効果として、社内におけるITリテラシーの向上があります。Flipdeskの運用は企画開発部で行っていますが、メディア営業部のメンバーもFlipdeskについてある程度理解しており、こんな使い方もできるんじゃないかというアイデアが出ることも増えてきました。

―Flipdeskの運用において、大切にしている点やこだわりについて教えてください。

松井:一番大事にしているのはやはり、お客様がどこに困っているかを感じ取り、それに対してどんなサポートが提供できるのかを考えることですね。これはFlipdeskだけでなく、メルマガなどその他の手段も含めて考えるべきことだと思います。

―鈴廣かまぼこ様はオンラインショップのリニューアルやオウンドメディア開設など、積極的にデジタル活用を進めていらっしゃる印象です。同じようにDXを推進する企業にアドバイスをお願いできますでしょうか。

松井:前職でデジタル広告やデジタルマーケティングを扱っていた経験から言えるのは、デジタルマーケティングを“ツールありき”で進めるべきではないということです。お客様の困りごとの解決や、興味関心をどう高めていくかという事業課題が先にあり、それに対してどんなツールをどんな方針で使えばいいのかを考えるのが正しい流れだと思います。それはWEB接客ツールにおいても同じことです。

そうはいっても、ツールを使いこなせないと目的に対してどんな手段が有効なのか発想できないので、ツールの理解も重要ではあります。そんなふうに、“目的”と“手段”を行ったり来たりしながら、リテラシーを高めていくことが大切だと考えています。

 

今後はコーポレートサイトへの導入も検討

―Flipdeskを今後どのように活用していきたいかなどの展望について教えてください。

松井:現在、FlipdeskはECサイトにだけ導入しているのですが、コーポレートサイトへの導入も検討しています。現在、コーポレートサイトのリニューアルを進めているのですが、その際にFlipdeskの活用も含めてサイトを構築するつもりです。

また、ECサイトとリアル店舗をつなぐ導線作りにもFlipdeskを活用できたらと思っています。というのも、お客様の購買行動が多様化しているからです。店舗でお買い物をされてからECサイトを訪れるお客様もいらっしゃいますし、ECサイトを見てから店舗にご来店されるお客様もいらっしゃいます。なかにはECサイトの存在自体を知らないお客様もいらっしゃいます。

店舗にご来店されたお客様に、いかにECサイトでもお買い物をしていただくか。ECサイトを訪れたお客様に、いかに店舗に来ていただくか。今後はそうした導線設計も進めていきたいですね。

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