株式会社シーオーメディカル
2022.10.13
ドクターズコスメブランドのECサイト「Co-medical+(シーオーメディカル)」と、女性向け機能性下着ブランドのECサイト「Angellir(アンジェリール)」を運営する株式会社シーオーメディカル。一人ひとりに合わせたWEB接客の提供を目指していた同社は、そのためにサイトの更新スピードを高める必要性を感じ、2022年6月よりFlipdeskを導入しています。
その結果、売上への貢献や他施策の効果の底上げ、記事コンテンツとの相乗効果など、様々な成果が生まれているといいます。
Flipdeskを導入した背景と運用の考え方、導入効果などについて、Co-medical div. EC課 課長 渡邊佑哉 様、Co-medical div. EC課 宮下一輝 様、Angellir div. EC課 岩岡慎太路 様にお話を伺いました。
写真左から宮下様、岩岡様、渡邊様
―2022年6月から、御社が運営されているECサイト「Co-medical+」および「Angellir」でFlipdeskをご導入いただいています。まず、それぞれのサイトについてご紹介をお願いします。
渡邊:Co-medical+は、ドクターズコスメブランドとして化粧品とサプリメントを中心に販売する自社ECサイトです。もともとはBtoB向けに商品を展開していましたが、現在はBtoC向けにも展開しており、一般の方にもお買い求めいただけるようECサイトを運営しています。
Angellirは、ナイトブラを中心とした女性向け機能性下着ブランドを取り扱う自社ECサイトです。特に「ふんわりルームブラ」は累計300万枚を売り上げるヒット商品となっています。
2つのECサイトはもともと1つだったのですが、2021年12月よりブランドを分割し、別のECサイトとして展開しております。
―なぜサイトを分割されたのでしょうか。
渡邊:お客様一人ひとりに合わせて、よりパーソナライズ化した接客がしたいと考えたからです。2つのブランドの顧客は重なっている部分ももちろんありますが、同じECサイトで展開するよりも、それぞれの顧客層に対してより深い内容をご案内する方が、お客様にとってより良い体験につながると考えたからです。
―Flipdeskを導入するきっかけとなった組織課題や、Flipdeskに期待したことなどについて教えてください。
渡邊:これまで、サイトの情報を更新する際は、サイトを制作していただいた会社にお願いしていました。弊社でワイヤーを作成し、更新を依頼してアップデートするという流れでした。しかし、更新のたびに制作会社さんにお願いすると、どうしても時間がかかります。キャンペーンの告知バナーを載せるのに1~2週間かかってしまうことも珍しくありません。もう少し施策の実行スピードを上げたいと考えていたとき、パートナーの企業様からのご紹介でFlipdeskと出会いました。
―Flipdeskの印象はいかがでしたか。
渡邊:Flipdeskの資料を見せていただいて、「これは革新的なツールだ」と感じました。自分たちでスピーディーに情報を更新できるところや、お客様一人ひとりに合わせて出す情報を分けられるところが特によかったです。
宮下:デモを見せていただいた際、私が衝撃を受けたのが、「シナリオ事例集」にある、他社さんで実際に効果のあったシナリオをコピーして使える機能です。自分たちで運用する上で、ハードルを大きく下げてくれることに感動を覚えました。
―Flipdeskの他に検討されたソリューションはありましたか。また、Flipdeskを選んでいただいた決め手は何だったのでしょうか。
岩岡:2つのツールと比較検討しました。1つはFlipdesk以前に使っていたツールで、非常にリーズナブルだったのですが、その分機能も最低限のものしかありませんでした。Flipdeskのように細かいカスタマイズができず、使い勝手があまりよくありませんでした。
たとえば、バナーの大きさが変えられないので、場合によっては画面いっぱいに表示されてしまったりするんです。それが、SEO的によくないということで、社内のSEOチームから指摘が入ってしまいました。
渡邊:もう1つは非常に多機能なツールです。機能が充実している点はよかったのですが、私たちにとってはオーバースペックでした。また、多機能な分、費用がかなりかかることもネックになりました。
結局、「できること」と「費用感」のバランスがよく、コストパフォーマンスに優れている点が決め手となり、Flipdeskを導入しました。
―Flipdeskの運用体制について教えてください。
渡邊:私たちは3名ともマーケティング戦略課に所属しています。マーケティング戦略課の中に、Co-medical+とAngellirのマーケティング戦略を担当しているチームがあり、Flipdeskはそれぞれのチーム内で運用されています。宮下がCo-medical+チーム、岩岡がAngellirチームで、私はFlipdeskの導入と両チームをつなぐ役割を担っています。
―Flipdeskの導入効果について教えてください。
岩岡:やはりお金を払って導入している以上、社内でも数字を求められます。Flipdeskは、ログインすると「貢献売上」という項目があり、そこで売上に対するFlipdeskの貢献度合いを数値で確認できるのですが、しっかりと売上に貢献してくれているので解約する理由がありません。社内で上司に説明する際も、「この貢献売上だけで運用コストはペイしてますね」という話ができます。
―具体的に、どのようなシナリオが売上に貢献していたのでしょうか。
渡邊:まず、Co-medical+とAngellirの両方で実施しているシナリオが、「カゴ落ち防止」です。当社のECサイトはカート会社のカート機能を使っており、これまでカートページで柔軟に自社の施策を走らせることができませんでした。しかし、Flipdeskであればカートページにシナリオを展開できるので、カゴ落ちを劇的に減らすことができたのです。
宮下:具体的にいうと、Co-medical+ではFlipdesk導入後、カゴ落ち対策のシナリオを出したところ、コンバージョン数が平均で5%上昇しました。Co-medical+はビジネスモデルがサブスクリプションなので、1コンバージョンを取れるか落とすかで成果が大きく変わります。CVRを5%向上できたというのは、非常に大きな効果だと感じています。
渡邊:Co-medical+は商品がクリニックで扱われている高品質なものであるため、使っていただいたお客様からの評判はとても良いです。ただ、価格帯が少し高めなこともあり、最初の申込みに至るまでの道のりが長いと感じています。カートに入れたけれど、迷って立ち止まってしまっているお客様も少なくないので、カゴ落ち防止のお知らせを出せるのは非常に大きいですね。
岩岡:Angellirで効果的だったのは、LINEの友だち追加を促すバナーですね。これまで、LINEの友だち追加は1ヶ月で1,000人をKPIにしていました。これも、かなり高めの目標設定だと思っていたのですが、Flipdeskを導入してから約2ヶ月で、なんと約9,000人もの友だち追加を達成できました。それでいて、CVRは今までと同等の数字を維持しているので、売上への貢献度合いもかなり高いといえます。
―カゴ落ち以外のシナリオで印象に残っているものはありますか。
岩岡:冒頭で渡邊から「Co-medical+とAngellirは顧客層が別なのでサイトを分けた」という話がありましたが、そうはいってもせっかく2つのブランドを運営しているので、お客様が行き来しやすくなるようにはしたいと思っていました。ちょうど両サイトでサマーセールを実施していたこともあり、それぞれのサイトにもう片方のサマーセールのバナーを表示して誘導をかけました。
実際にそのバナーを通じてお客様も行き来されていましたし、コンバージョンにもつながっていました。お互いに相乗効果が生まれていたのが印象的でしたね。
宮下:Co-medical+はBtoC向けのECを展開して間もないこともあり、Angellirに比べるとまだまだ認知度が足りません。これから認知度を高めていかないといけないなかで、Angellirのお客様に認知していただく機会がつくれたのはよかったですね。
―WEBプッシュ機能もお使いいただいています。
宮下:しっかり効果が出ています。導入費用も高くないので、1コンバージョンできればペイできますからね。特にカゴ落ち防止に役立っています。
―そのほか、Flipdeskを導入してよかったことはありますか。
岩岡:コンテンツマーケティングに役立っています。Angellirでは様々な記事コンテンツを作成しているのですが、その記事への誘導をFlipdeskでかけています。たとえば、商品選びで迷っている人には「人気商品ランキング」の記事を出したり、常連のお客様には「セール」や「骨格診断」などの記事を出したりしています。
Flipdeskで記事コンテンツに誘導できるようになったことで、コンテンツそのものの作り方のヒントも得られました。「こういうお客様には、こういう記事が喜ばれそうだな」という目線でコンテンツを作れるようになり、選択肢が増えたと感じています。
宮下:Flipdeskはアップデートも早いですよね。「これほしかった!」という機能が追加されるので、ダッシュボードをさわっていて嬉しくなります(笑)。バナーのテンプレートもどんどん種類が増えていくので、デザイナーにお願いしなくてもいいくらいです。
―Flipdeskの運用において、大切にしている点やこだわりについて教えてください。
宮下:お客様への情報発信がしつこくならないように気をつけています。たとえば、「一度表示したお客様には表示しない」とか「いきなり表示するのではなく、スクロール量が多いお客様に表示する」とか、条件設定にはこだわっていますね。
岩岡:ページを開いて、いきなりバナーが表示されるとストレスになりますからね。いかにお客様にストレスをかけないよう、スマートにWEB接客するかが大事だと考えています。でも、最初はそうではなかったんです。「表示できるだけバナーを表示しよう」と考えていたこともあったのですが、Flipdeskの運用サポート担当者の方から「クリック率とボタン消し率が逆転しているので、表示回数を減らしましょう」とご提案いただいて修正していきました。
宮下:そのへんはアパレルなど実店舗の接客と同じですよね。お店に入ってこられたお客様にいきなり声をかけるのではなく、しばらくお客様が店内を見てまわった後に声をかけるほうがよかったりします。
―フリップデスク社のサポートについての印象はいかがでしたか。
岩岡:とてもよい印象を持っています。今でも覚えているのが、最初の頃の打ち合わせです。当社で作成していた記事コンテンツについて担当者の方に共有できていなかったのですが、打ち合わせの際に担当者の方から「このような記事コンテンツがサイト内にあったので、生かしていきましょう」というご提案をいただいたのです。こちらからの共有ができていなかったのに、しっかりとサイト内をご覧いただいて、提案までいただけたことに感動しました。
宮下:PDFでいただけるレポートもすばらしく見やすいですよね。本当に美しくまとまっているレポートで、打ち合わせに参加している全員が感動していました(笑)。気づいたことをどんどん共有していただけますし、私たちが気づかなかった点も指摘いただけたりと、一緒のチームになって考えてくださっている印象でした。
岩岡:安心感がありましたね。寄り添ってくださって、私たちとしてもモチベーションにつながりました。
宮下:そうですね。今回は自分たちが運用できるようになるまでの短期のサポートプランで導入しましたが、今後またあらためてサポートをお願いしたいと思うくらいよかったです。運用についてはもう自分たちでできるので、チュートリアルとしてのサポートではなく、同じチームで戦っていく仲間としてのサポートをお願いしたいです。
―今後のECサイトにおけるWEB接客の重要性についてどうお考えでしょうか。
渡邊:WEB接客の重要性は増していくと思います。特に10~30代の若い層はテレビよりもYouTubeを好む人も多く、自分が好きなコンテンツを自分のデバイスで楽しんでいると感じています。各年代の全員に刺さるコンテンツは少なくなっており、個人がそれぞれ好きなものをとことん突き詰める時代になっていると感じております。
そうなると、コンテンツを提供する側としても、一人ひとりに合わせて提案していく必要があります。WEB接客も同様で、よりパーソナライズされた対応が求められるようになると思います。特に、常連のお客様と、そうではないお客様では接客の仕方を大きく変えなくてはなりません。これまで、WEBではそういったコンテンツの出し分けは難しかったのですが、Flipdeskならそれが可能であるため、今後さらに活用を深めて、より良い顧客体験を作っていきたいと考えています。
岩岡:“個の時代”である現代において、一方的に配信すればいいという考えはもう通用しません。単純な接客ではなく、お客様が「また訪れたい」と思ってくださるようなきめ細やかな接客を心がけなければなりません。
宮下:今の若い人にとって、インターネットはもはやインフラです。道路のように、生まれたときから存在するものだからです。そう考えると、WEB接客はインフラ整備といってもいいと思います。いかに不快にさせないように情報を出していくのか、能動的かつ真摯な接客が大事です。
―ありがとうございました。
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