株式会社エアトリ
2019.7.17
LCCも含め日本国内すべての航空会社の航空券を一括検索できる総合旅行サービス「エアトリ」。同サービスでは2018年7月にFlipdeskを導入して以来、ROIが毎月120%以上と高い数値を維持しています。具体的な活用のポイントや運用体制などを梶 隼人様と三枝 馨様に伺いました。
―Flipdeskはいつ頃から導入されましたか。
梶:2018年7月から導入しています。
―どういった目的で導入されたのでしょうか。
梶:当社は航空券の比較販売サイト「エアトリ」を運営しているのですが、お客様に向けてより細かい情報をご案内するために導入しました。航空券の販売には大きく2種類あります。航空券だけを販売する場合と、航空券に加えてホテルへの宿泊費もセットで販売するパッケージツアーです。
航空券だけなら販売した時点で基本的には終わりなのですが、パッケージツアーですと旅程保証という概念が入ってきます。つまり、旅行に行ってから帰ってくるまでを私たちが保証するということです。トラブルが起きないよう、パッケージツアーを販売する際には渡航に付随する様々な情報を開示していかないといけません。そこで、Flipdeskでお客様に情報を届けられればと考えたのです。
―パッケージツアーに付随する情報とは、たとえばどんなものでしょうか。
三枝:当社のパッケージツアーは細かくアレンジができるのが特徴です。まずベースとなるツアーがあり、そのなかでホテルや出発時間だけを変更することができるのです。自由度が高いということは、それだけお客様が迷ってしまうケースも増えるということになります。 当社は基本的にはオンライン販売なので、ウェブ上でしっかり情報を伝える必要があります。迷いやすい部分をしっかりサポートしてあげれば、自由度が高くお客様が自分に合わせてアレンジできる点は当社の強みとなります。
ただ、ここ最近はFlipdeskを販促ツールとして活用することが増えました。この使い方が思った以上の効果を上げています。
―販促ツールとしての使い方をするようになったきっかけは何だったのでしょう。
梶:きっかけはあるツアーの販売です。当社のツアー販売ページは通常の場合ですと、動的ページでつくられているのですが、このツアーは静的ページでした。静的ページはシステムの都合上、露出できるページが限られています。さらに当時はLPも大々的なものがなかったので、販促に使えるツールがメルマガくらいしかなかったのです。それならFlipdeskでツアー情報を配信してみたらどうだろうと考えたのが、販促ツールとして使うきっかけでした。販促の課題にFlipdeskがうまくはまった形ですね。
―具体的にはどういった使い方でしょうか。
梶:Flipdeskで出せるポップアップにおすすめの商品情報を載せるようにしました。それも、初回訪問のお客様にはこの情報、2回目の訪問のお客様にはこの情報……といったように能動的にシナリオを出すようにしました。
―現在のFlipdesk運用体制について教えてください。
三枝:基本的に私が担当しています。今は先ほど申し上げたように販促よりの使い方になっているので、他の企画系の部署などと連携して販売したい商品をとりまとめ、シナリオに載せていくという流れです。 たとえば社内の朝礼などで、売りたい商品などの情報を企画部からヒアリングし、じゃあFlipdeskで出しますかと提案したりしていますね。
―これまでの施策で印象的だったものなどはありますか。
三枝:もっとも印象に残っているのは、今年のGW前に配信した「ロンドン・パリ周遊ツアー」と「バルセロナツアー」ですね。GWが10連休ということで、お客様の動きも早く、既に予約をしているお客様が多く普通に販売しても苦戦するだろうと思いました。そこでFlipdeskで配信したところ、表示回数も多く90席ほどあった座席はほぼ完売することができたのです。
梶:一時期、サイパンツアーなどで画像を使ったポップアップも行っていて、印象に残っています。そのクリエイティブの制作もFlipdeskさんに相談していましたね。
―シナリオでこだわっている点はありますか。
梶:スピード感ですね。当社はいろいろな媒体で同時配信をかけることがあり、販売在庫が当社だけの扱いではないこともあります。そうした状況でシナリオに時間をかけていると、すぐ状況が変わってしまいます。
三枝:実際、シナリオをつくって配信したらすでに満席だった……ということもありましたね。
梶:当社はスピードを重視する会社なので、即実行を心がけています。とりあえず手を付けて、早くシナリオを配信してみることを意識しています。もし思った効果が得られなくても、それはそれでシナリオづくりの知見になりますから。
―Flipdesk導入の効果はいかがですか。
梶:数字上もかなりの効果が出ており、たとえばROIは常に120%以上を維持しています。
―やはり数字でシビアにご覧になっているのですね。
梶:はい。今後もそのツールを使い続けるかどうかについては社内に一定の基準を設定しています。そしてFlipdeskはその基準をしっかり達成できています。 そもそも静的ページの商品の販促ができるという時点で、もう数字以前にFlipdeskは手放せない存在です。Flipdeskのおかげで商品の売り方の幅が増えたわけですからね。最近では他部署からも「Flipdeskにこれ載せられない?」という声が上がっています。販促ツールとして着実に定着しているなと感じます。
三枝:もともとの目的だった詳細情報開示の部分でも効果を感じています。私は普段、CS(カスタマーサポート)でお客様からの問い合わせを受ける立場なのですが、CSでは電話の“放棄率”※が重要になります。
Flipdeskを導入してから、この放棄率が下がったように感じています。それだけFlipdeskのおかげでサイトが改善されたということだと思います。
※放棄率とは、電話がかかってきたけれど取れなかった割合
―Flipdeskによる運用サポートについてはいかがでしょうか。
三枝:シナリオ設定のスピード感が速く、商品の販促が早めにできるようになり、すごく助かっています。
梶:担当運用コンサルタントの方が、旅行業界についてかなり突っ込んだところまで興味を持って聞いてくださるのが嬉しいです。そういうところがシナリオにも反映されているんだと思います。
―今後の展望について教えてください。
三枝:先日からはツアーのトップページに「今週のおすすめツアー」というシナリオを配信しています。引き続き、お客様が見つけにくい商品などを販促ツールとしてFlipdeskを使って配信していきたいですね。
梶:Flipdeskでサイトの課題をもう少し拾っていきたいと考えています。当社はお客様の声を聞ける機会が少なく、ほとんどの方は不満を持っても問い合わせることなく黙って去ってしまいます。Flipdeskを使うことで、サイトの改善すべき点が見えてくることを期待しています。
―ありがとうございました。
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