WEBマーケティング
データドリブンマーケティングには、どのような特徴があるのでしょうか。また、なぜ重要視されるのでしょうか。ここでは、企業のWEBサービスの担当者に向けて、データドリブンマーケティングの基本や手順、取り組む際の注意点などを解説します。データドリブンマーケティングの意義を理解し、CV向上の参考にしてください。
データドリブンマーケティングとは、「データをもとにした」マーケティングです。データとして使えるものには、企業が収集した顧客属性や行動履歴、売上などの収益情報、ビッグデータなどが挙げられます。
データドリブン経営とは、データを重視し事業方針を決める経営手法です。かつては、経営者の経験にもとづくひらめき、勘などが、戦略を決める際に参考にされていました。しかし、顧客の行動が複雑化するにつれて、個人の考え方では効果的な戦略を立てるのが難しくなりました。従来の手法にかわり、客観的なデータをもとに戦略を組み上げるデータドリブン経営が注目されています。
データドリブンマーケティングは、マーケティング効果を向上させます。ここでは、データドリブンマーケティングが役立つ理由を解説します。
顧客の種類として、見込み客もあれば、優良顧客もあります。また、同じサービスを検討中の顧客でも、期待する内容は異なります。データドリブンマーケティングは、個々のニーズを理解するのに役立ち、ピンポイントなアプローチを可能にします。
同業他社と同じ戦略をとったとしても成功できるわけではありません。他社の戦略は、あくまでも他社の環境や強みをもとに計画されているためです。自社でも成功するという根拠がない場合には、他社の戦略を取り入れるのは危険です。
データを根拠に、成功確率が高いマーケティング方法を導き出しましょう。データをもとに効率的な戦略で進行することで、コストを抑えられるというメリットもあります。
テーマパークや観光旅館で実施された、データドリブンマーケティングの事例を紹介します。
日本有数のテーマパーク、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでは「デジタルコンシェルジュサービス」が採用されています。本サービスは、スマホアプリを通じて、一人ひとりにおすすめのプランを提案します。
データコンシェルジュサービスは、オンラインチケットをスマホに発行することで、顧客データと行動データを連携しました。また、行動データは、GPSやWi-Fiなどを駆使して収集されます。データをもとに、好まれる行動パターンを顧客ごとに分析し、顧客データと位置情報をもとに、おすすめアトラクションなどを紹介します。
箱根の老舗温泉旅館の「ホテルおかだ」は、WEBマーケティングにより、海外からのツアー客獲得に成功したものの、同時に大規模なキャンセル問題に悩まされました。
対策として、一般顧客の予約・キャンセルデータを分析し、団体客からキャンセルを受けるボーダーラインを設定しています。また、顧客情報と営業活動をCRMツールで見える化したことで、分析がスムーズにすすみました。
データ収集を急ぐと、余計なデータまで収集してしまう可能性があります。ここでは、データドリブンマーケティングの手順について解説します。
作業の無駄を削減するために、目標を設定しましょう。データの種類は膨大であるため、何を解決したいのかという目標がないと、関係のないデータを収集しかねません。また、データを整理・解析するにあたって、方向性がぶれやすくなります。データの取得と取り扱いには時間もコストもかかることを理解しましょう。
目標が定まると、どのようなデータが必要かを判断できます。収集するデータについては、「個人属性」と「活動履歴」の2つがあります。
個人属性は、家族構成や交友関係、顧客の興味・関心などです。企業のWEBサイトやアプリへの登録時に取得しやすいデータです。
活動履歴は、企業のサービスにまつわる顧客の行動すべてに関わるデータを指します。たとえば、購入履歴、閲覧商品、買い物カゴに入れた商品などが挙げられます。また、利用満足度、リピート率なども活動履歴に含まれます。
収集したデータにはノイズが含まれます。精度の高い分析結果を得られるように、ノイズを省いて整理しましょう。整理には、専用の解析ツール、BIツールなどが使えます。また、解析結果には、大勢にわかりやすいことが求められます。対策を計画し、経営層に説明しやすいように、結果を見える化してください。
わかりやすく提示されたデータをもとに、課題解決に向けて案を出します。仮説を複数用意し、細かな計画を立てて実行しましょう。計画を立てる際は、経営層の意見をそのまま取り入れるのではなく、現場の意見を重視してください。実現可能な対策は、現場目線にならないと考案できません。
対策を実行し、当初に決めた目標と比較することで、課題を抽出していきます。あとは、初回と同様、新たな課題に対して、データ収集や整理・解析、計画立案・実行を繰り返しましょう。PDCAサイクルを回し続けると、サービスがよりよいものになっていくと考えられます。
苦労してデータを解析しても、上司や経営層にデータドリブンマーケティングの重要性を理解してもらえないと、分析結果を活用できません。通常業務を優先するよう指示を受けたり、必要なコストを割いてもらえなかったりする場合があります。
上司や経営層には、データの意味を前もって理解してもらい、PDCAサイクルを回せる環境を準備しましょう。KPIは、上司や経営層が思い描く事業目標をもとに、段階的に決定してください。KPIは定量的に表現可能な目標値で、売上や顧客獲得数などが挙げられます。
データドリブンマーケティングでは膨大なデータを扱いますが、ツールを使うとデータ管理、分析がスムーズに進みます。ここでは、ツールの特徴について解説します。
CMR
顧客管理に使われるツールで、顧客の氏名や電話番号など、個人情報や購入履歴にかかわるデータが保管されています。マーケティングや営業活動に役立ちます。
SFA
CRMと同様、個人情報や活動履歴が含まれますが、より営業活動向けのツールです。訪問情報など、営業活動の進捗を見える化して、滞りなく活動できるようにサポートします。
MA
MAも営業支援に役立つツールです。WEBサイトを訪れた顧客の個人情報と活動履歴をもとに、特定のジャンルの顧客を抽出したり、営業活動のタイミングを判断したりします。
WEB解析ツール
自社のWEBサイトに埋め込まれたアクセスログを使って、顧客の活動履歴を収集し、解析するツールです。複数のページに設置できるため、詳細な活動履歴を残せます。
DMP
自社の顧客情報と活動履歴以外に、WEB上のあらゆる情報を紐づけられるツールです。情報量を増やし、顧客にあわせたマーケティングの実行に役立ちます。
セルフサービスBI
BIツールには、専門家でないと取り扱いが難しいものもあります。セルフサービスBIは、特別な知識やスキルがなくても使いやすいBIツールで、感覚的に扱えるといった特徴があります。
データドリブンマーケティングは、データを重んじる経営戦略です。データからはいくつかの仮説が導き出されますが、現実的な対策を構築するには、マーケティングの知識と、自社のビジネスモデルについての知見が欠かせません。
また、データを整理し仮説を考える段階や、上司や経営層にわかりやすく説明する段階には、ロジカルシンキングが求められます。さらに、大量のデータを扱うため、統計学的な考え方も重要です。データに特定の傾向が見られたときに、有意性があるのかを判断するためです。
データをうまく活用できるかどうかは、企業環境や担当者の心構えによっても異なります。そこで、データドリブンマーケティングの注意点について解説します。
組織に余裕がない
組織が忙しすぎると、データの収集や分析に時間を割けない可能性があります。対策としては、専任の担当者を設けるのが効果的です。また、データドリブンマーケティングの重要性を組織に理解してもらうよう働きかけましょう。
周囲の理解がないと、データを分析できたとしても、PDCAを回すことができません。仮説を検証するには組織で動苦必要があるため、特に上司や経営層に対して、データドリブンマーケティングの意義について理解を促してください。
データを活用できない
データを収集した時点で満足する人がいます。データを分析し、マーケティングに役立ててこそ、データドリブンマーケティングを活用できます。データを集めていた目的と目標を再確認しましょう。
また、膨大なデータを扱いにくいと感じたときは、見える化を意識してください。セルフサービスBIのように、専門家でなくても扱えるツールもあります。
デジタルドリブンマーケティングは、あらゆる顧客にアプローチができて、自社に適した施策をみつけられます。データにもとづく考え方の重要性を、上司や経営層に理解しもらって、マーケティングに役立てましょう。
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