WEBマーケティング
ペルソナの設定は、マーケティング戦略において重要な役割を果たします。しかし、どのようにペルソナの設定をすればよいか迷っている人も多いでしょう。この記事では、ペルソナとは何なのか、ターゲットとの違いやユーザー像の決定方法、メリット・デメリットなどについて詳しく解説します。あわせて、注意点も紹介するので、効果的なペルソナ設定に役立ててください。
ペルソナとはそもそもどのような意味なのでしょうか。ここでは、ペルソナの意味や役割などについて解説します。
ペルソナは、ラテン語で、「仮面」という意味をもつ言葉です。マーケティングにおいては、自社の商品・製品やサービスの「架空のユーザー像」を表します。架空のユーザー像を詳細に描くことが特徴で、一般的には職種やライフスタイル、価値観や行動、家族構成などを具体化して設定します。
マーケティングにおいて、顧客の求めるものを把握することは非常に重要です。具体的なユーザー像であるペルソナを設定することで、顧客のニーズを理解・把握しやすくなります。ニーズを把握しそれを満たす商品やサービスを作ったり、マーケティング戦略や施策を練ったりすることをペルソナマーケティングといいます。
ターゲットとペルソナを混同している人も少なくありませんが、両者には明確な違いがあります。ペルソナが価値観や趣味嗜好、年齢や家族構成というように具体性を持たせて設定するのに対して、ターゲットはある程度の幅を持たせて設定します。例えば「30代・女性」「40代・男性」というように性別や年齢などで大まかに設定するなどです。
ペルソナを作成するメリットは大きく分けて3つあります。ここでは、それぞれのメリットを紹介します。
ペルソナを詳細に設定することで、顧客の状況や心境、境遇といった具体的なことまでイメージしやすくなります。例えば、「30代女性」でも既婚か未婚か、子どもの有無や職業などを具体的に設定したほうがユーザーのニーズがつかみやすいです。具体的なユーザー像を設定することにより、適切なサービスの提供の仕方や商品開発にも役立ちます。
ペルソナを設定することで、チーム間で認識のずれが起こりにくく、具体的な人物像の共有が可能です。例えば、「30代女性」といった場合、既婚か未婚か、専業主婦かなどの情報が共有できず、想定する人物像が異なってしまう可能性も高くなります。ターゲットの人物像をしっかり共有することで、時間のロスを防げます。
ペルソナを設定することで、ターゲット層が明確になります。ターゲット層がはっきりしていれば、プロジェクトの方針なども決定しやすくなり、効率的な進行が可能です。また、販売方法や販促方法なども具体化でき、無駄な予算を投じずに済みます。プロジェクトの効率化が図れるため、迅速に効率を向上させたい企業にも向いています。
ペルソナにはどのような要素が必要なのでしょうか。ここでは、必要な要素と具体例を紹介します。
ペルソナの設定は、具体性を持たせることが重要です。実在する人物であるかのように詳細な項目を設定していくことがポイントとなります。ペルソナ設定に必要な最低限の要素としては、以下が挙げられます。
・基本情報:年齢や性別、職業や家族構成、収入など
・行動:趣味嗜好や生活様式、交友関係など
・商品やサービスとの関わり方:商品を選ぶ際に重視する点やどのように商品を知るのかなど
ペルソナは理想のユーザー像ではなく、あくまでもリアリティのある人物像を設定することが大切です。ここでは具体的なペルソナ像を作成してみます。
・氏名:斎藤 太郎
・性別:男性
・年齢:34歳
・家族構成:妻(30歳)・子ども2人(女6歳・男3歳)
・趣味:剣道(大学まで剣道を続け、現在は趣味で月に2回程度道場に通う)
・学歴:○○大学経済学部卒業
・勤務先:○○商事
・勤続年数:11年
・所属部署:営業部
・役職:係長
顧客属性について詳しく知りたい方はこちら
>顧客属性とは何か?種類・分析方法・活用のポイントと注意点・活用事例などを解説
ペルソナ設定はどのように行えばよいのでしょうか。ここでは、ペルソナの具体的な設定方法を解説します。
ペルソナを設定する際には、最初に情報収集をしなければいけません。情報収集の方法としては以下が挙げられます。
・既存の顧客へインタビューやアンケートを行う
・顧客と接する機会のある営業担当に聞き取りを行う
・SNSやネット上の口コミなどを確認する
さまざまな情報を集めて分析を行います。
新しくアンケートやインタビューを行うだけではなく、すでに公開されているアンケート結果などの既存データも活用しましょう。ただし、既存データを活用する際には、そのデータの正確性に注意しましょう。いつのアンケートなのか信ぴょう性はあるのかといったことを、客観的に再度分析し直す必要もあります。
ユーザーの行動や興味関心のある事柄などを把握するために、WEB上でアクセス解析を行います。アクセス解析を行うことで、何をクリックしてどのページを閲覧したのかなどが分かります。Googleアナリティクスなどの、ユーザー情報を分析・データ化できるアクセス解析ツールを活用するのもよいでしょう。
上記の方法で収集した情報をもとにしてペルソナを組み立てます。性別や年齢、家族構成、職業といった項目を設定して、ペルソナの情報を書き出していきましょう。この際、より具体的な設定を加えることもポイントです。例えばペルソナの氏名や写真、その人物のセリフなどの情報も追加しましょう。
ペルソナ設定には十分な分析が必要となるため、時間や労力がかかります。
リサーチ不足などにより大きく外れたペルソナ像が設定されてしまう可能性があることです。十分なリサーチをせずにイメージだけが先行すると、ペルソナ像が大きく外れてしまいます。間違ったペルソナを設定しては本末転倒ですから、注意点を押さえて、慎重に行いましょう。
ペルソナを設定する際には主観や理想などではなく、客観的な情報から設定しましょう。制作者が抱いている印象や理想などをもとにしてペルソナを設定してしまうと、本来のユーザー像からずれてしまう可能性があります。顧客データや口コミ、アンケートやSNSなどから客観的な情報を収集しましょう。
ユーザー像をたくさん作ってしまうと、商品やサービスなどの軸がぶれてしまう可能性が高くなります。そのため、ユーザー像は実在しそうな人物1人に絞って設定することがポイントです。ペルソナの設定は、さまざまな性格や価値観、趣味嗜好といった要素を加えて本当にいそうなユーザー像を作り上げます。
ペルソナは1人に絞って設定することがポイントと前述しましたが、商品やサービスによっては複数のペルソナを設定しなければいけないケースもあります。その場合は、メインとなるペルソナを設定し、その上で異なるペルソナを作ってペルソナごとにマーケティング施策を練りましょう。
ペルソナは1回設定したらそれで終わりではありません。環境や市場の状況によってユーザーは変化していきます。そのような変化に対応するためには、ペルソナを定期的に見直すことが重要です。ペルソナを活用しているうちに、想定とは違う点が発覚する可能性もあるため、定期的に見直しましょう。
ペルソナは具体的に設定する必要があり、複数の価値観や特徴などを加えてユーザー像を設定します。しかし、設定が複雑になりすぎると、ユーザー像が把握しにくくなります。必要のない要素は削除していき、具体性があり分かりやすいユーザー像を設定することを心がけましょう。
ペルソナを設定することで、ユーザーのニーズにあったサービスを提供できる、プロジェクト効率がアップするといったメリットがあります。ペルソナ設定には、アンケートやアクセス解析などを用いた情報収集が重要になります。
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