CRM
サイトを訪問した顧客のデータをマーケティングに役立てるには、どのようにするとよいのでしょうか。この記事は、WEBサービスの担当者に向けて、顧客データの種類から活用するメリット、管理分析する方法などを解説します。データ分析のコツも紹介するので、効果的に顧客データを活用するための参考にしてください。
顧客データにはマーケティングに活用できる多くの情報が含まれています。顧客データの内容と種類について解説します。
顧客データには顧客の属性と活動履歴が蓄積されます。属性とは、氏名や住所、家族構成などのいわゆる個人情報を指し、企業ならば所在地や事業内容、事業規模などが該当します。
また、活動履歴とはサイトの閲覧状況を指し、どの商品情報を閲覧、購入したかなどという情報の集まりです。ちなみに、営業活動に関して顧客データという場合は、訪問状況や商談の進捗などの管理にも重点を置きます。マーケティングでいう顧客データと意味が違うことに気をつけましょう。
企業(自社)がユーザーから直接収集した顧客データを1stパーティーデータ、他社が集めた顧客データを2ndパーティーデータ、自社と他社以外から集めたデータを3rdパーティーデータと呼びます。なお、この記事で解説する顧客データは、1stパーティーデータの区分に含まれます。
顧客データを活用する目的は、顧客のニーズを分析し、売上げをアップさせるためです。長期的にデータを蓄積することで、顧客のニーズをより深く分析できます。高確率でニーズに合った販売促進が可能になるので、顧客満足度が向上し、売上げにも結びつくでしょう。
また、企業内で顧客データを共有することで、業務効率化も見込めます。複数の部署に顧客の情報が散らばっていると、知りたい情報を見つけるのに時間がかります。企業内で顧客データを一元管理し、余計な手間を省いてください。
顧客データ管理は、一般的なソフトでできるものから、特別なツールを導入するものまでさまざまです。顧客データ管理に使える5つのツールを紹介します。
Excelは、Microsoft Officeのアプリケーションです。コスト、汎用性の観点は魅力的ですが、リアルタイム更新と一元管理の難しさ、データ変更のわずらわしさという課題があります。顧客データ量やデータ入力者が増えるにつれ、Excelでデータを管理するのが難しくなってきます。
CRMは、さまざまな顧客データの管理に向いています。また、キャンペーンやセール情報のメルマガを発行するなど、マーケティングに役立つ機能も備わっています。
SFAは顧客データ管理のツールというよりも、営業支援ツールと捉えるとよいでしょう。CRMと同じように扱えるデータの幅は広いですが、営業視点のアウトプット比率が高めです。たとえば、案件管理機能や商談管理機能などです。営業支援ツールとしても期待する場合は、SFAの導入を検討しましょう。
和訳すると「顧客アイデンティティ管理システム」となります。大きな特徴は、企業の提供するサービスやブランドの種類に依存せず、顧客IDを企業全体で一元管理できるという点です。顧客としても、サービスを変えるたびにログインせずにすみ、管理するIDが1つですむのは喜ばしいでしょう。余計な手間がかからないため、顧客満足度が向上すると考えられます。
ERPは、顧客データのみではなく、財務、在庫、品質など、事業にかかわるあらゆるデータを管理できます。各部門で取り扱いたいデータのジャンルが異なっていても問題ありません。ERPは企業にかかわるデータをすべてまとめられ、業務効率化とコスト削減につながります。
顧客データ管理ツールを選ぶときは、3つの観点から考えましょう。顧客データ管理ツールを選ぶポイントを解説します。
まず、ツールで管理したいデータの種類を明確にしましょう。自社でマーケティングに使うデータを蓄積できるツールを選んでください。また、ツールを導入しただけで満足してはいけません。ツールを使いこなすために、導入前に解決したい課題を明確にしておきましょう。
外部機能との連携を調べておきましょう。すでに社内に導入しているツールと連携できると業務効率が上がります。また、実際にツールを使う従業員が「使いやすいかどうか」も重要なポイントです。あまりにも専門的な知識や、複雑な手順が必要なものは実用的ではありません。導入にあたっては、マニュアル作成や勉強会も検討しましょう。
顧客データ管理ツールは、多機能になるほどコストがかさみます。業務を効率化しコストを削減できたとしても、ツールの方が割高であれば採算が取れません。必要のない機能を省くには、顧客データ管理ツールの機能に優先順位をつけ、コストに見合う範囲内で導入しましょう。
顧客データを活用するための分析方法について、例をあげて解説します。
顧客のセグメントとは、学生、主婦、サラリーマンなどといった個人情報(顧客属性)のことを指します。効果的な販売戦略を立てるためには、セグメントごとに活動履歴を分析します。また、商品に関心がないセグメントに対しては、販促活動を強化するのもよいでしょう。セグメント分析は、具体的な戦略を立てやすい分析手法です。
RFM分析は、企業に貢献してくれる優良顧客を抽出し、販売戦略の立案に役立ちます。Rは最新の購入日時、Fは購入頻度、Mは購入額を表します。顧客の順位、ランク付けを行うことにより、優良顧客のみのキャンペーン、特別セールなどのような差別化戦略に使えます。顧客としても特別丁寧に対応してもらえることで、より満足度が高まるでしょう。
バスケット分析では、買われやすい商品の組合せがわかります。実店舗では、セット販売や陳列の並びを変えるなどの対策を打ち、売上げを伸ばせるでしょう。また、WEBサイトの場合は、一緒に購入されることが多い商品をあらかじめ顧客の画面に表示させることで、購買意欲を高められます。
顧客データはVOCと紐づけするとさらに詳細な分析ができます。BIを使った顧客データとVOCの紐づけについて解説します。
BI(Business Intelligence)とは、大量のデータを分析し、人の意思決定をサポートするツールの総称です。最終的に判定をくだすのはあくまでも人ですが、BIはデータの見える化を効果的に実施します。また、VOC(Voice Of Customer)とは、アンケートやクレームなどの定性的なデータを指します。
BIは定量的な顧客データを迅速に分析するので、人は定性的なVOCの分析に時間を割きましょう。最終的にBIがまとめた顧客データとVOCを紐づけすると、顧客データだけではわからなかった顧客の不満やニーズが見えてきます。
VOCと顧客データを紐づけると、顧客満足度向上が期待できます。VOC分析で得られた結果を顧客セグメントに応じて反映することで、顧客により適した販促活動ができるためです。また、ターゲットのニーズがあらかじめわかっているため、顧客セグメントに応じた商品開発をするにも役立ち、売上げ向上が見込めます。
顧客データ分析で得られた結果を、より効果的に活用しましょう。分析を成功させるポイントについて解説します。
顧客データを分析した結果を最大限活用するには、市場動向をチェックし、ここぞというタイミングを見計らって施策を実行しましょう。たとえば、売上げ大幅アップを期待して商品を発表しても、経済が冷え切っていれば見込みが外れるかもしれません。商品やサービスが注目される状況を見究めることが重要です。なお、市場動向を見る手段としては、ビッグデータの活用などもあげられます。
顧客情報には個人情報が含まれます。もし情報漏洩が起きれば、企業としての信頼を失ってしまいます。顧客が安心して企業のサービスを利用できるように、管理体制を徹底しましょう。また、顧客に個人情報の取扱いについて丁寧に説明することも大切です。
顧客データには、顧客の属性と活動履歴が含まれ、データを管理し分析することでマーケティングに活用できます。分析結果はVOCと紐づけるとより顧客ニーズにあった販促活動ができ、商品開発にも役立つでしょう。さらに分析結果を最大限に活用するには、市場動向を読むこと、個人情報に対する責任を明確にすることが求められます。
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